コイン鑑定機関とは?

あまり知られていませんが、アンティークコインの鑑定機関は世界中に存在しています。

どのくらいあるかと言われると、数え切れないほどある上にレベルも様々です。

更に鑑定機関によってグレードの付け方、判断基準は違いますし更に細分化すると個人でやっているところもあります。

 

A社で未使用品と言われたものがB社では流通品、C社に持っていけばグレーディング不可なほど劣化していると言われる可能性もあります。

各社の判断基準がまったく違うので、同じような結果が出る確率のほうが圧倒的に低いです。

この現状を打破し、グレーディングをより明確かつ一定の基準を持つということでPCGSやNGCといった鑑定機関が誕生しました。

 

トップクラスの鑑定機関はアメリカに本拠点があるPCGS・NGCの2社と言われています。

それ以外にも多数ありますが、今回はこの2社を中心に紹介します。

 

コイン鑑定機関とは?

まずは基本的なこととして、コイン鑑定機関とは何か?について説明します。

コイン鑑定機関は、裸の状態のコイン(メダルや貨幣)を本物かどうかの判断及びグレーディング(格付け)する機関です。

鑑定依頼に出す、と言った時に持っていく先になります。

 

鑑定機関にもいくつか種類があり、特定のコインだけを鑑定するところもあれば幅広くやっているところもあります。

鑑定専門だったり、鑑定もするし自分たちで販売をするところもあります。

 

PCGS・NGCは鑑定専門で自分たちで鑑定したコインの販売などは行っておりません。

また、公平にグレーディングをするために鑑定士達のコインの所有が禁止されているほどです。

いわゆる「えこひいき」のないよう、基準に則って依頼されたコインを平等に見るために実施されています。

 

また、PCGS・NGCで鑑定され専用のケースに収められたコインに関しては、その結果が「永久保証」されます。

ケースが開封されたり破壊された場合は対象外となりますが、この永久保証が大きな信頼を得ています。

 

 

PCGSとは?

PCGSはProfessional Coin Grading Serviceの略称です。

アメリカに本拠点があり、コイン鑑定機関の中でもNGCと並んでトップクラスと言われており、鑑定は非常に厳しいです。

厳しい代わりに信頼度が高く、透明なスラブケースに入っているのが特徴です。

 

PCGSのスラブケースに入っている写真です。

明治43年発行の20円金貨、PCGS鑑定済みのものです。

写真のように全体的に透明なスラブケースに収められており、上部にコインの説明を簡単に記載したラベルがあります。

このラベルもスラブケースの中にあるため、書き換えたり取り出したりすることはできません。

このケースを破壊してコインを取り出さない限り、本物であることやグレーディングが「永久保証」されています。

 

スラブケースは普通に開封できないようにされているため、取り出そうとするとケースを「破壊」するしかありません。

素手で壊せないのでハンマーを使って壊すことになるため、コインを傷つけたり怪我をすることもありますし、永久保証が適用されなくなります。

ただ、意図せぬことでケースに亀裂が入ったり落としてしまったりすることはあるかと思います。

その場合はPCGSへ依頼することで、グレードはそのままで新しいスラブケースに入れ替えしてもらうことも可能です(有料)。

 

 

NGCとは?

続いてNGCについての説明です。

NGCはNumismatic Guaranty Corporationの略称です。

PCGSと重複する点が多いですが、スラブケースが透明ではなく白が基本です。

 

スラブケース、ラベルに様々なバリエーションが多く見た目も楽しめるのが特徴です。

 

基本的には写真のような白いケースです。

この白の部分が黒バージョンもあり、ラベルに関しては種類が多すぎて紹介しきれないほどです。

ラベルはPCGS同様に上部に配置され、記載されている項目にも大きな違いはありません。

NGCもスラブケースが破壊されたりしない限りは、グレーディングは「永久保証」されます。

傷ついたりしてしまった場合は、スラブケースだけ交換するサービスもあります。

 

古代コインも鑑定対象となっており、グレーディングに関しては違った表記がされています。

通常のコインとは違い、Strike・Surfaceが追加され5点満点で評価されています。

古代コインは左側にコインの詳細、右側にグレーディング結果が記載される形式になります。

スラブケースは同じで、白が基本です。

 

ラベルに関しては大きく分けて2種類存在しており、写真のものは昔のラベルです。

 

 

PCGSとNGCの違い

今回、2つの鑑定機関を紹介しましたがどちらもトップクラスと言われており、紹介内容としても重複している点が多いです。

ではどこが違うのか、という点について紹介します。

 

大きな違いとしては鑑定範囲が違います。

共通している部分もありますが、NGCでは「古代コイン」の鑑定が可能です。

PCGSには無い鑑定範囲で、古代コインの鑑定となるとNGC一択になります。

 

NGCで古代コインの鑑定をやっている、といっても別部署のような扱いになっており依頼書も別に用意されています。

古代コイン専用の鑑定依頼書とそれ以外の鑑定依頼書があり、古代コインに関してはちょっと特別扱いのようになっています。

実際、グレーディングの結果も違う表記になっており非常に複雑です。

 

その他、鑑定してきた枚数や設立された年の違いなどはありますが、大きな違いとしては古代コインの鑑定有無です。

永久保証やグレーディングといった部分での大きな差はありません。

 

 

PCGS VS NGC

かれこれ10年以上議論され続けていて未だに結論の出ていない話題でもありますが、PCGSとNGC、どちらがいいのか、ということについてです。

古代コインであればNGCしかないので比較できませんが、それ以外で重複しているものは多いです。

アメリカコインであればどちらでも鑑定できますし、日本コインもどちらでもOKです。

 

このようにどちらでもOKだった場合に、どっちがいいのか、というのが議論されています。

一般的に多いのはPCGSのほうが厳しい、NGCのほうが若干グレーディングが甘いという内容です。

PCGSでMS64としたらNGCならMS65だ、と言われています。

 

ただし、これは実際に検証したりデータを取ったわけではなくあくまで「主観」レベルの話です。

検証しようと思ったら両社へ協力依頼をしなければ無理ですしデータのとり方もしっかりと精査する必要があります。

鑑定士を選別したり同じコインを鑑定してもらったりと、何かと大変です。

 

個人や一企業でどうにか出来るレベルではない内容ですが、未だに延々と議論されています。

日本だけではなく海外でも議論されていますが、終わる気配が全くない状態です。

 

その状態ですが、一般的にはPCGSの方に軍配が上がっておりオークションの結果を見てもPCGSのほうが高いです。

PCGS鑑定で最高グレードであればそれだけでかなりの高得点です。

同じグレードのNGC鑑定済みがあったとしても、同じタイミングで出てくればPCGSの方に集中されやすいです。

 

ただし同じグレードかつPCGS・NGCであればどっちでもいい、という人もいるので確実ではありません。

確率の高さで言えばPCGSなので、可能であればPCGS鑑定済みの高グレードを手に入れるのが望ましいです。

 

 

番外編:日本にある鑑定機関

PCGSとNGCはアメリカに本拠点がありますが、日本にも鑑定機関は存在します。

日本の場合は日本貨幣商協同組合というところが鑑定を行っています。

 

PCGSやNGCは非常に大きなイベントを開催したり、アメリカ以外の国にも拠点を持っていたりします。

日本貨幣商協同組合の場合は名前の通り、日本にある組合です。

日本各地にあるコインショップが集まってできている組合ですので、PCGSやNGCとはちょっと違います。

 

鑑定依頼に出した場合はスラブケースに入れるのではなく「鑑定書」が発行されます。

日本国内で鑑定依頼を出したい、となったら日本貨幣商協同組合へ依頼することになります。

 

PCGS・NGCはアジア支店がありますが日本には拠点を置いていないので、ちょっと依頼が面倒だったりします。

それに日本にある組合ですので日本コインであればこっちのほうが良いと考える人もいます。

 

 

最後に

何かと長くなりましたが、グレーディングに関して細かい説明がPCGS・NGCでは公開されています。

かなり細かいので現物を見ても判断できないくらいですので、今回は省略しました。

 

もし、これからコインを購入するというのであればPCGSかNGCを推奨します。

 

あえて鑑定済みではない未鑑定品を狙う人もいますが、現物を見て本物かどうかを判断できる人でないと相当リスクが高いです。

未鑑定品は鑑定料が含まれていないので、その分安く買えます。

安く買えるということは、それを買う側がそれなりの知識と鑑識眼があるという前提ですので初心者向きではありません。

 

ただ説明されてもわからないことが殆どだと思いますので、一番早いのは実際に現物を見ることです。

ある程度の事前知識+現物確認が一番理解が早いです。

 

安いものであれば数千円で購入できるので、気になる方は1枚手に入れてみてはいかがでしょうか。

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