【海外取引用通貨】貿易銀(Trade Dollar)とは?

今回は日本で実際に存在した、海外取引用に作られた銀貨のご紹介です。

 

このコインについて

貿易銀とは?

そもそも貿易銀とは何か、についてですが直径38.58mmの大きめの海外取引専用の銀貨です。

貿易取引をする際に使用する通貨として発行されており、アメリカやフランス、イギリスでも発行されていました。

貿易用なので、当時の通貨にしては珍しく英語表記で「Trade Dollar」と書かれています。

裏面には日本語で「貿易銀」と書かれています。

 

貿易銀の重さは27.22グラムで、アメリカ基準の重さになっています。

元々はメキシコドルに対抗することが目的で、当時のアメリカの貿易銀(トレードダラー)ではメキシコドルより軽めでした。

そこでメキシコドルより重くしよう、ということで27.073グラムだったメキシコドルを少し上回るようにしました。

一方、日本では26.96グラムと少しだけですがメキシコドルに負けていました。

 

その後、アメリカのトレードダラーの27.22グラムが幅を利かせるようになったのを見て、日本も合わせるようになりました。

他の国も重さは違っていましたが、重さが違えば不利になるのでフランスは重さを合わせました。

イギリスは以前の日本の貿易銀の重さ、26.96グラムのままでした。

 

 

アメリカでは予想外の展開に

アメリカの貿易銀、トレードダラーは何かと問題を抱えていました。

まず、金本位制になる国が多くなっていたことや銀の増産によって銀自体の価値が大幅に下がっていました。

それに加えて、トレードダラーを作ってもそれに見合った輸出がなくアメリカ国内で流通する自体に発展していました。

貿易用として作られているにも関わらず、アメリカ国内で流通して目的外の使われ方をしていました。

 

地金価格も下がりすぎてしまったこともあり、アメリカは1878年にトレードダラーの発行を中止・廃止しました。

そのかわりに26.73グラムの1ドル銀貨が法定通貨として誕生しました。

これがあの有名なモルガン銀貨(Morgan Silver Dollar)です。

モルガン銀貨が1878年から発行されていたのは、トレードダラー廃止に伴うものです。

 

ちなみに、トレードダラーは発行が中止されて廃止されましたが、実は1885年まで発行されています。

1878年から1885年まではプルーフが少しだけですが発行されました。

1885年に関しては5枚しか発行されておらず、存在が都市伝説レベルです。

 

 

日本の貿易銀は4年で終了

日本の貿易銀は1875年にアメリカに合わせて27.22グラムに変更されました。

その翌年からは貿易銀は貿易一圓銀貨とも呼ばれており、金貨と等価であるとされ1878年には日本国内での流通が認められました。

その後、同じく1878年にアメリカ同様に製造を終了しました。

日本の貿易銀は1875年~1878年のわずか4年間しか発行されていません。

 

呼び方が1園銀貨だったり円銀だったりと様々ですが、デザインが全く違うので1園銀貨とは別物です。

元々は1園銀貨が海外貿易向けに発行されていたこともあり、そのような呼び名が付いています。

なので、本来は1園銀貨も日本国内では流通させておらず海外向けだったものを、国内で流通させることを認めたことで少しややこしくなっています。

貿易銀は4年だけの発行でしたが、その間は1園銀貨は発行されていません。

貿易銀に付いている事がある、chop markとは?

アメリカのトレードダラーでよくありますが、chop markというものが付けられていることがあります。

これは中国の商人たちが付けたもので、トレードダラーが本物であることを確認するためにわざと傷をつけて確認した跡です。

このマークに決まりはなく、商人それぞれが違うマークを使うので、流通し続けていたものはマークだらけになっていることもあります。

たまにアメリカに何か恨みでもあったのか、銀貨が変形するほどの力で付けているのもあります。

 

このマークは漢字だったり、記号だったりと様々です。

マークを付ける場所も様々で、わかりにくいように隅っこにされているのもあれば中心にされているのもあります。

マークがありすぎてデザインがわからないものもあったりします。

 

このマークが付いた上で流通しているものは本物である、という証拠でもあります。

ただし、誰が付けたのかわからないものを信用する人も少ないので自分で新たにマークを付けるのもわかります。

日本の貿易銀では結構少なめですが、たまに変なマークとか漢字の跡があったら、chop markかもしれません。

 

 

貿易銀の現在の価値は?

貿易銀の現在の価値ですが、グレードによって大幅に変わります。

グレードがつかないレベルのものが多いですが、グレードがつかないけど本物であれば10万~20万程度が多いです。

これも見た目の綺麗さなど、どの程度のものかで決まるのであくまで大体の目安です。

 

ただし、これが未使用品になってくると一気に桁が変わります。

過去に海外オークションで出てきたもので1876年(明治9年)がありましたが、2万ドルを超えました。

未使用品であれば200万円を超えることもあり得るのが、貿易銀です。

 

そしてそれを上回るのがプルーフです。

プルーフの発行枚数は不明で、パターンとされていることから試作品であり一般には流通していないと思われます。

こちらは1874年(明治7年)となっており、正式に発行が決まる前の年のものになります。

つまり、本来は残っているものではなく処分されているはずのものです。

 

たまにオークションで出てくる「見本」と書かれているものと同じような存在です。

こちらはちょっと例外的ですが、もうちょっとで30万ドルという価格で落札されています。

 

グレードによって差は大きいですが、未使用品であればそれなりの価値があるということになります。

 

 

最後に

貿易銀は日本以外でもありますが、どこの貿易銀も比較的人気は高めです。

特に未使用品に関してはとても貴重で、オークションに出てくることも珍しいほどです。

現存している殆どは流通して、マークが付けられてグレードが付けられない程になっているものです。

 

アメリカのトレードダラーのプルーフは人気で、こちらも入手困難品の1つです。

アメリカではプルーフだけを発行していた時期もあるので、当時からそれなりの人気があったと考えられます。

いまでも人気が衰えていないのは、ある意味すごいことです。

 

 

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